代表的な部族と特徴
|
|
ハイダ族 HAIDA
150の島々からなるクィーンシャーロット諸島に住みハイダ語族に属する唯一の部族
「ハイダ族」は、ノースウェストコーストインディアンを代表する部族です。ハイダの力強い芸術作品はおそらく最もよく知られた古典的なノースウェストコーストの文化スタイルでしょう。設計は大胆で、小型のアーギライトの彫刻でさえ重厚間に満ち溢れています。頭の大きさが身体と同じくらい大きく表現されて、バランスと対称の取れたスタイルはハイダ芸術の強い特徴です。伝統的なペイントは主に黒と赤が使用されて描かれています。そしてハイダには多くの伝説の物語が残されており、トーテムポールをはじめアーギライトの彫刻やジュエリーなどに表現されて、多くの作品が生み出されています。 |
|
ティムシャン族 TSIMSHIAN
クィーンシャーロット諸島の対岸の本土沿岸に住みティムシャン語族に属する
ティムシャン族は大きな組織です。Tsimshianティムシャン,Gitksanギクサン,Nisga’aニスガと呼ばれる部族の共同体になっています。ティムシャンの芸術の特徴は、ハッキリしていて清潔な外観を持っています。それらは、繊細で精密な線の伝統的な技法で描かれます。線画がデザインの主要な部分からしばしば分離されて描かれることで活発な動きが表現されています。またティムシャンの芸術はクワキュトルの作品に似ています。ダンサーやシンガーなどは、特別なマスクや服装で自らを美しく飾ります。 |
|
ヌートカ族 WEST COAST (NOOTKA)
バンクーバーアイランドの太平洋沿岸に住んでいて、ワカシャン語族に属するのは
ヌートカ族です。白人が初めて彼らと交流した際、彼らの言葉で「あっちだ=ヌートカ」という言葉でヌートカ族と名づけられたようです。彼らのデザインは厳格な規制を持たず、強い張り出しと柔軟な流れの組み合わせが見られるのが特徴です。ヌートカ族のダンス・マスクは大きな口と鷲のような鼻が特徴です。 マスクのペイントや装飾は、動物が実際に見せる表情が表現されていると言われます。マスクには、動物から人間へと仏教でいう輪廻転生を表わすためにマスクが左右に分かれて、中から人間の顔が現れる構造になっています。 |
|
コーストセイリッシュ族 COAST SALISH
バンクーバーアイランドの東岸からその対岸、そしてコロンビア河口からビュート湾の周辺に住みサリッシュの語族に属するのは
コーストセイリッシュ族。紋章を持たず、またトーテムポールも建造しませんでしたが、独自の伝統彫刻技術を要していて実に写実的な木彫りの動物を作りました。人型のウェルカムポールが有名です。また墓碑銘として死者に似た木彫り人形を装飾して供えました。セイリッシュ族の特徴的な美術品には、山羊の毛を紡いで毛布を作るためのスピンドルウォール(写真)があります。カウチンセーターで有名なカウチン族もセイリッシュに含まれます。また儀式で使用される精巧なマスクやシャーマンのラットル(ガラガラ)から小さな料理皿まですべての物が、美しいデザインとモチーフ図柄によって装飾されていました。また彼らの作るカヌーは一本の丸太を削って作られ、速度の出るデザインも含めて、設計・装飾されました。彼らの作る毛布やボウル、ウォールパネルは現在もフレイザー渓谷で生産されています。 |
|
クワクワカ’ワク族 KWAKWAKA’WAKW (クワキゥトル族 KWAKIUTL)
北と南の部族の間に位置し、バンクーバーアイランド北東部と対岸一体に住み、ワカシャン語族に属するのはクワックワカワク
族。細かい場所や時代などでクワキュトル族とかクワギル
Kwagiulth
とか言ったりします。贅沢に装飾されたマスクやトーテムポールに彼らの壮大な神話を表現することで知られています。伝説の鳥サンダーバードなどのバードマスクはクワックワカワク族の創作物です。また放射線のデザインの太陽のマスクはクワックワカワク族の代表作です。これらのマスク、トーテムおよび他の彫刻はより三次元の効果を意識して、溝が深く掘られています。ホエールのヒレや鳥のクチバシや翼のような付属物は、対象にできるだけ正確な描写が細かく施されてます。また転生を表現する変形マスクはクワックワカワク族の発明でした。ダンス儀式の中で人食いワタリガラスの巨大なクチバシは雷鳴を轟かせるように、開いたり閉じたりされました。クワックワカワク族はヨーロッパ人によってもたらされた様々な色の顔料を積極的に取り入れました。一方で、輪郭に使用する色は黒に固執しました。彼らの文化は、現在もアルバートベイ周辺のコミュニティにおいて脈々と受け継がれており、才能のあるクワックワカワクの芸術家のための温床になっています。 |
|
トリンギット族 TLINGIT
トリンギット族は、北ブリティッシュコロンビアおよびアラスカ領域を支配していました。 彼らは、ハイダなどの隣人とポトラッチなどで多くの物を広範囲に取り引きしました。彼らの画法はハイダのそれに似ていました。それらは通常、両方とも北部スタイルと考えられます。トリンギット族は最初に伝統スタイルのコミュニティハウスを建造したこととして知られています。これらの家の正面はトーテムポールで飾られペイントされました。 |